まるで
遊園地のバルーンみたいだ

いっしょに連れて
歩きたい

ついつい読んでしまう空気
そのたびに
心につかえて
狭すぎる喉からは
出られそうにない


軽くて透明で
見えないけれどそこにある

気づかれないものほど大切で
やさしい

本当は空を泳ぐバルーンのように上手に踊れるはずなのに



お昼休みに入った
”喫茶オーシャン”

昔ながらの ハムサンド をほおばると

あの時
飛んで行った風船は
海を渡れただろうか

そんなことが ふと あたまをよぎった

お皿に残ったサンドイッチのパセリは
まるでわたしみたい

何かを言いたげにお皿の隅にいる

孤独を強がりながら




サンドイッチにパセリをのせるの どうしてやめないの？

心の中で言ったのに

「キレイでしょ グリーン」
カウンター越しから しゃがれた声の返事がきた

－出演－

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